2018年11月9日金曜日

学術集会in札幌の報告 ②

忘れずに戻ってまいりました。


さて今回は、九州・沖縄支部の支部長であり、普及協会の副会長も務めておられます皿田洋子先生により副会長講演について少しだけまとめたいと思います。


○「生きる力」が育つ学校文化を創る
     SSTを実施して
演者:皿田洋子(福岡大学人文学部教育・臨床心理学科)
座長:上野武治(SST普及協会北海道支部支部長)

学校、教育の現場では様々な施策が講じられているにも関わらず、、不登校やいじめなどの学校不適応が増え続けているとのことです。これだけ〝少子化”と言われている中で、H29年の不登校に悩まされる小学生は過去最多だったとのことです。


今の子供が抱える問題の要因として
・愛着形成の問題→人間関係の希薄さ、自分で物事に対処する力が低い
・家族関係→会話量が少ない
・虐待→人を自分を信じられない、居場所がない
・ゲーム、スマートフォンの使用→人間関係を持たずとも過ごせる
・貧困→援助希求が乏しく、一人で抱え込む、自尊感情がひくい


といった要因があるようです。実習指導を行う際や、臨床現場で若い利用者さんを担当する際にすごく役立つ情報ですね。


皿田先生は福岡大学で、子どもたちの現実生活の場である学校生活におけるストレス対処、対人関係スキルを social skills training (SST)によって高め、子どもたちの適切な自尊心、自己効力感を育成する取り組みを行っており、今回はその実践をご紹介くださいました。


子供達の変化としては、
・SSTの時間は普段の授業より自信をもって発言していた
・SSTでは一人ひとりが自分の意見を言えている。(道徳では「良い子の像」状態)
・取り上げたターゲットスキルについて
・子供にとっては実践しやすかった、「使ってみました」と報告も
・子供同士では自ら誘うことが出来ない子がいるため役立つ  ‥など


またクラス担任の先生気づきとして
・優しく指導していないことに気付いた。
・優しく言ってもすぐには効果は表れないと思って、制止する方に気持ちが向いてしまう
・子供に高いものを要求していたことに気付いた  ‥など


とのことでした。

子供の頃からストレス対処スキルや対人関係スキルをしっかりと磨いておくとの大切さを感じることが出来ました。子供の可能性は無限大ですね。

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